教養としてのアート、投資としてのアート 〜アート一般教養について〜

  こんにちは。けんです。

 今回この本を読み終えて、現代アートについての一般的な基礎知識を知ることが出来ました。更にアート作品の資産価値としての側面についても学ぶことが出来ました。

 パッケージ・タイトル買いしたにも関わらずすごく勉強になりました。

 本日は、この本について話したいと思います。

 【読書日記 32冊目】

<タイトル> 教養としてのアート、投資としてのアート

<著者>   徳永健治

教養としてのアート 投資としてのアート

 

背景・問題意識

 まず初めに、日本のアート市場について皆さんご存知でしょうか。日本の市場規模は2019年のデータでは、500億円です。それでは世界的にはどうでしょうか。

 世界規模 : 8兆円

 アメリカ : 3兆円

 中国   : 1.5兆円

 日本   : 0.05兆円

 日本の市場は現段階では小さいです。これが今後はAIの進化や働き方改革により、人は余暇の時間が増え、楽しむ時間が増えてくることが予想されます。

 そうすることで、今まで一部の富裕層やコレクターしかいなかった市場に、一般消費者が含まれ、市場規模が増えると思います。

 今必要なのは今後の人生をより豊かにするために、良いアートを買うための基礎知識を知ることや、投資という側面をこの本では伝えたいのです。

 

アートマーケットの現在地

1)現代アートとは何か? 

 現代アートとは、マルセル・デュシャンが構築した概念以降の作品のことを指します。

 デュシャンとは、「作品をコンセプトで表現をする」という概念を初めて打ち出したアーティストです。

https://www.artpedia.asia/fountain/

2)マルセル・デュシャン「泉」

 有名な「泉」という作品があります。それは便器にアーティストのサインをしただけのものです。デュシャンはそれを展示しようとしました。(ただし提案時には、却下された様)

 デュシャン以前に、美術品は「美しい」「一点もの(希少性)」のあるものが一般的でした。しかしデュシャンはこの概念を変えたのです。便器という「汚い」「工業製品(汎用品)」を作品としました。

 人々はこの作品に衝撃を受け、「コンセプトを作品にする」という概念が生まれたのです。

3)日本のマーケットの現在地

 日本の市場規模が小さい原因は何故でしょうか。それは「インテリアとしてのアート作品」という側面が強いからです。バブル時代富裕層はアート作品を買いあさりましたが、現代ではインテリアとしてアートを楽しむ姿が増えています。

 海外マーケットでは、2000億円を1社で年間販売するギャラリーもあり、日本とは規模が異なります。

投資としてのアート

 アート作品は正しい知識を入れていれば、長期的目線で利回り15%以上の資産価値のあるものです。

 株式投資は会社が倒産すると紙になりますが、アートにはありません。また若手アーティストも年々出ているので、未上場市場は拡大しています。

1)どの様な作品が投資価値があるのか 

 購入後価格が上昇する作品には共通点が2つあります。それは

 「発明品であること」

 「インパクトがあること」

 です。

 今までの既成概念になく新たな発明品であり、かつ社会的に影響を及ぼすものであることです。

2)アンディ・ウォーホール

 ここで代表的な現代アーティストを紹介します。それはアンディ・ウォーホールです。

https://www.artpedia.asia/andy-warhol/

 ウォーホールは、広告など大衆的なイメージを持つものをハイアートにしたり、工場の様な生産方法を行い、概念を壊しました。更にアート活動ならずサロンを設け、人々との交流も盛んにし、社会に影響を与えていきました。

 他にもジャクソン・ポロックなども代表的ですが、割愛しますね。

https://www.artpedia.asia/jackson-pollock/

3)投資価値のある作品を選ぶには

 現代アートには、作家アイディアや概念が作品に盛り込まれています。そのため、作家と作品両方を知る必要があります。

 「作品価値」=「作家」×「作品」

 作家の過去からの作品をみて、その作家が新しいチャレンジをしているのか。現代の情勢を反映しているのかを見る必要があります。

 

アートの新たな評価軸

 最近は評価軸が変わってきました。ネットやSNSの普及によりファン層の共感や感動が現代は市場価値を上げます。食べログとかと同様ですね。

昔 : 美術評論家やコレクターの発言、関係者の知見が価値を上げる

今 : ファンの共感や感動が価値を上げる 

  今後、この共感や感動の評価軸が更に高まり、大衆化することが予想されます。将来は誰もがアート作品を持ち楽しむ時代になるでしょう。

 世界的にも市場は年間5%の成長をしており、新たなアーティストやコレクターが参入することが考えられ、今この時期にマーケットに参入することは非常に優位になります。

アート作品を投資として購入時の鉄則

 最後に鉄則を3つ紹介して終わります。

 ①アーティストの過去作品をみて、進化しているのか。(今後の成長性)

 ②アーティストの代表作を購入する(価値不変)

 ③様々なアーティスト作品を購入する(リスクヘッジ

まとめ 

 初めて教養として現代アートを学びました。私も現代アートは好きなのですが、何故好きなのか。何故価値があるのか。ということを知らなかったので、この本を読んで知ることが出来ました。

 投資としての側面については、今まで正直考えたことがありませんでした。

 今後投資価値があり、かつ楽しめるアート作品に出会えれば即購入したいと思います。

 

 

けん。